3種のチャーシューにオリジナルだし塩、一味違うラーメンを

メンヤ タムラ

麺や 田むら

「チャーシュー」に自信があります

住所
東京都福生市志茂143-7
TEL
042-513-3973

コクと旨味たっぷりの醤油スープは、
奥深く清らかで、なぜかどこか懐かしい。
3種それぞれ魅力的なチャーシューを味わい、
喉越しのいい、つるりとした麺をすする。
これぞ、極楽。至福の喜びが地元にある。

(店名)

一見、ラーメン店とは思えない上品な外観。ビールやお酒を注文すれば、おつまみにチャーシューが供せられる

  • 端正な檜のカウンター

    しっとりと薄いピンクに仕上がった内もも肉のチャーシュー。驚きのボリュームだ

  • 端正な檜のカウンター

     塩中華そば極。味付き玉子とチャーシューが三種類。白髪葱も。スープと麺の調和がとれている違和感なくすすれる中華蕎麦。

  • 端正な檜のカウンター

    つけめん。~お召し上がり方~ が、独自のこだわりを感じさせる。その食べ方は、お店で。味の変化が楽しめて飽きません。

店長からの一言

店主 田村義勝さん

田村義勝さん

ラーメンは「何をやってもいい」と言われます。何を乗せても、どんな味でも自由です。だからこそ、奥が深く難しいのだと思います。お客さまにより美味しいものを提供できるよう、日々頑張っています。どうか、お気軽に食べに来ていただければと思います。

基本情報

店名 麺や 田むら
住所 東京都福生市志茂143-7
電話 042-513-3973
営業時間

11:30~14:30

(金・土・日・祝日のみ 17:30~20:00)
定休日 火曜
第二水曜、年末年始
駐車場 4台
カード使用 不可
URL https://www.facebook.com/麺や田むら-2036462846433873/

ストーリー

一味違う、つけめんにまぜそば

これが、つけめん。とろりとした昆布水に浸された麺をまず、スプーンのオリジナルだし塩で、次にリンゴ酢で食すという。3種のチャーシューも抜群。

これが、つけめん。とろりとした昆布水に浸された麺をまず、スプーンのオリジナルだし塩で、次にリンゴ酢で食すという。3種のチャーシューも抜群。

 扉を開ければ白木のカウンターに、麻の葉模様の壁紙という和モダンな空間。とてもラーメン専門店とは思えない、意表を突かれた設えだ。オープンは2017年9月、大手企業の重役から一転、起業した田村さんはラルフローレンのシャツと前掛けという出で立ちでカウンターに立つ。清潔感あふれる店内とともに、漠然と抱いていたラーメン店のイメージが覆る。
 出していただいたのが、「つけめん」。丼にはとろりとした「昆布水」がよそわれ、その上に麺、チャーシュー3種、味玉に白髪ネギが鎮座する。横の小鉢に、醤油味のスープ。ここまでは通常のつけめんだが、なぜか酢と塩の小皿が目の前に。このつけめんの食べ方にこそ、田村さん独自のこだわりがあった。
 まず、お店オリジナルのだし塩をかけて麺だけを食べるのだ。だしの効いた複雑な味わいの塩が、もちもちした平打ち縮れ麺の味をこれほどまでに引き立てるとは! 塩自体が、とんでもなく美味なのだ。次は、酢だ。リンゴ酢の甘みを帯びた酸味が、麺に抜群に合う。目からウロコ、未知の世界へ一気に誘われるよう。そして満を持して、スープへ向かうというスタイルだ。
 濁りのない透明な「清湯」と呼ばれるスープは、清らかでキリリとしていながら、コクと旨味が非常に強い。角のないまろやかさ、醤油のいい香りが鼻に抜け、ツルツルと喉越し抜群の麺をすする。至福の極みだ。田村さんがこう話す。
「スープは肉のだしが決め手です。鶏と豚の肉の旨味がスープに出ていると思います。それがコクと甘みになっている。そこにカツオ節の粉も入っています」
 次に出された「まぜそば」は、何と美しいビジュアルだろう。台湾まぜそばの辛い肉味噌が卵黄を乗せて中央に、ニラ、ネギ、角切りにした豚と鶏のチャーシュー、海苔、そして魚粉がぐるりと囲む。これらを大胆にも、すべて混ぜて食すのだ。ピリッとした辛味が刺激的、卵黄のコクと濃厚なタレが渾然一体と絡み合い、箸が止まらない。これは、やみつき系の味だ、クセになる。ニラもチャーシューもネギも魚粉も、すべてがいい仕事をしている。
「横田基地の外人さんに、特に人気なんです。よく、食べにきてくれますよ」
 いや、日本人も速攻でゾッコンだ。
 目の前に差し出された一杯のために、見えないところでどれほどの仕事をしているのか。誠実な姿勢が、きちんと味に現れていると確信した。

チャーシューは常時3種、味も3種類

基地のアメリカ人に特に人気という、「台湾まぜそば」。ピリ辛の肉味噌と卵黄、魚粉が味の決め手。ごろりとした角切りチャーシューと生のニラが存在感を放つ。

基地のアメリカ人に特に人気という、「台湾まぜそば」。ピリ辛の肉味噌と卵黄、魚粉が味の決め手。ごろりとした角切りチャーシューと生のニラが存在感を放つ。

 とにかく、チャーシューが絶品なのだ。鶏のむね肉という難しい部位でありながら、一口齧って衝撃が走った。何という、驚きのやわらかさなのか! しっとりとジューシーで、なおかつ香ばしい。
「下味をつけてから、七輪の炭火で炙っているんです。そうしないと、このやわらかさは出ません。炭火なので香ばしさもあると思います」
 炭で火を通すことで、驚異のやわらかさが実現するのだ。豚肩ロースのチャーシューは、迫力ある大きさ。箸ですっと切れるほどやわらかく、ほどよく乗った脂がしっとりと甘い。豚バラのチャーシューもとろとろのやわらかさ、脂が多い部位なのにしつこさは皆無。女性でもパクリと行ける。
「なかなか入らない部位なのですが、豚の内もも肉というのがあるんです。これが、コリコリして美味しいんですよ。豚肩ロースと豚バラは同じ味付けですが、鶏むねと内ももは味付けを変えています。なので、チャーシューだけで3種類の味があります。すべて、試行錯誤してたどり着いた味です」
 肩ロースは、8時間かけて出来上がる。肉が縮むのを防ぎ、しっとりと薄いピンク色に仕上げるために、たれにつけて蒸して、またつけて蒸すことを繰り返す。こうして低温調理をすることで、しっとりとしたチャーシューが出来上がるという。
「チャーシューは毎日、出来が違うんです。肉屋さんが持ってくる肉は大きさも脂分も毎回、違いますから。しっとりとできると、本当にうれしいですね」
 チャーシューを3種と、時々もう1種も用意するラーメン店なんて、他にまずないだろう。それもお客のためなのだ。「いろいろと、麺の上に乗っていた方がうれしいだろう」と。大変な手間と時間を惜しまず、お客のためにと日々、黙々と調理場に立つ。ありがたいことだ。だからこそ、またあのカウンターに座ろうと思うのだ。

長く愛されるラーメン店に

エリートサラリーマンから、ラーメン店主に

白木のカウンターは和食店のような格調高い雰囲気。和モダンな空間は、女性一人でも入りやすいように。

白木のカウンターは和食店のような格調高い雰囲気。和モダンな空間は、女性一人でも入りやすいように。

 田村さんは1960年生まれ、コカ・コーライーストジャパンに38年間勤務、支店長や部長など要職を経験し、部下は300人を下らないというエリートサラリーマンだった。
 営業職の傍ら、ラーメンが好きでよく食べ歩きをしていたとはいえ、大企業を退職してまで一介のラーメン店主になったことに、明確な理由があったわけではない。会社の体質が変わったことへの不満があったとはいえ、大きな決断に至る理由の一つに、3年前、淳子さんと再婚したことがあるのかもしれない。淳子さんは16歳年下で初婚。現在、1歳の息子を育てながら、店の仕事を担っている。
「多分、新しい人生を彼女と歩んで行こうと思ったのかもしれないです」と田村さん。
 もう一つ、あるラーメン店の店主の言葉にも背中を押された。
「ラーメンは、何をやってもいい」
 衝撃だった。退職したのが2016年4月、6月からラーメン学校「食の道場」の合宿に参加、有名ラーメン店でも修行し、2017年9月に店を開いた。自分たちの店を出すにあたり、内装にはこだわったと淳子さんが言う。
「美味しいラーメン屋だけど汚いっていうのが、嫌でしたね。和モダンの空間にしてもらいました。女性一人でも入りやすいように、和食店っぽいカウンターにして。トイレには一番、お金がかけています。私、味だけではないと思うんです。時間とお金を使って食べに来られるのですから、居心地って大事だと」
 お店のコンセプトは、「凛」にした。接客も調理も、りりしく引き締まっている有りようでいたい。二人、共通の思いだ。田村さんが言う。
「いろいろなラーメン店主がいますが、自分はきりっとした態度で、物腰が美しくありたいと思っています。ですのでポロシャツは着ないで、ワイシャツで通していますね」
 清潔感あふれる店内で、きちんとした接客や調理の姿をこの目にできる。そんな雰囲気の中でラーメンをすするなんて、女性にはとりわけうれしい。

スープを一口飲んで、きらっとくるような美味しさを理想とする店がある。それが、湯河原の飯田商店の醤油ラーメンだ。

一杯に、魂を込めて。

一杯に、魂を込めて。

「レンゲでスープを一口すすった瞬間、きらっとくるような美味しさなんです。とにかく、醤油のスープが一味違う。脂のノリもいいし、食べたら笑顔どころか、ドキドキです。これ、どうしようって……」
 淳子さんも同じ思いだ。
「何だろう、この美味しさはって思いますね。襟を正して真剣に向き合う、そういうラーメンです」
 どんどん新店舗ができているラーメン業界だが、10年後に残っているのは1%という現実がある。田村さんは思う。
「ラーメンは何をやろうが自由です。何を乗せても、どんな味にしても。問題は客がつくかつかないか。だから、難しい。とにかく、美味しいラーメン、美味しいものを作っていかないと」
 日々精進だと、田村さんは言う。今日より明日と進化していきたい。より美味しいものを提供したいと日々思う。たとえば店のオリジナル「だし塩」だが、完成に至るまでは多くの試行錯誤があった。ブレンドしている素材は17種以上。このだし塩はごはんに振りかけただけで美味しく、客から欲しいという要望も多々。そこで近々、店で販売することとなった。このような地道な一歩一歩が、きっと大切なのだろう。
「長く愛される店になりたいですね。ずっと、お客さまにかわいがってもらえるような。やっぱり、食べるなら『麺や 田むらだ』と言ってもらえるように。あそこじゃなきゃ、嫌だと。どのためにも、とにかく美味しいものを作りたいですね」
 オープンして、まだ1年半。田村さん夫妻の妥協なき歩みに、支持者は増えて行くだろう。だってほら、また、「あの、麺や 田むらのラーメン」が食べたくて仕方がなくなっているのだから。

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